カクテル「マンハッタン(Manhattan)」入門|基本レシピと楽しみ方

マンハッタン(Manhattan)は、ウイスキーとベルモット、ビターズをステアで仕上げるクラシックなショートカクテルです。アルコール感はしっかりですが、比率次第でやさしい口当たりにも調整できます。
本記事は、家庭でも再現しやすい再現性の高い比率をベースにまとめています。根拠がはっきりしない逸話は断定しません。
※バーテンダーや書籍によって配合は多少異なります。本記事では、家庭でも再現しやすい再現性の高い比率を提案します。
マンハッタンの基本情報
- スタイル:ショート(ステア)
- 味わい:ウイスキーのコク+ベルモットの甘苦・ハーブ感/ビターズで輪郭づけ
- 色味:赤みがかった琥珀色(ベルモットの種類で変化)
基本レシピ(2パターン)
A. クラシック比率(ライ・ウイスキーでキレ良く)
- ライ・ウイスキー:50ml
- スイート・ベルモット:25ml
- アンゴスチュラ・ビターズ:2ダッシュ
- ガーニッシュ:チェリー(またはオレンジピール)
つくり方
- 氷を入れたミキシンググラスに材料を入れます。
- ステアでしっかり冷やし、よく冷えたカクテルグラスへストレインします。
- チェリーを沈めるか、オレンジピールで香り付けして完成です。
特徴
- 2:1に近い比率で、キレのある大人の甘苦バランス。食前・食後どちらにも合います。
B. スムース比率(バーボンでまろやか)
- バーボン:45ml
- スイート・ベルモット:30ml
- アンゴスチュラ・ビターズ:2ダッシュ
- ガーニッシュ:チェリー
つくり方
- Aと同様にステア → ストレインで仕上げます。
特徴
- バーボンの甘みが乗ってやや丸い口当たり。初めての方にも飲みやすい傾向です。
作るときのコツ(失敗しにくいポイント)
- 冷やし切る:ミキシンググラスでしっかり冷却。水っぽさを感じたらステア時間を少し短くします。
- 比率の微調整:
- 甘さ控えめ→ベルモットを5ml減
- ウイスキー感を弱めたい→ベルモットを5ml増
- ビターズは入れ過ぎない:香りが支配的になりやすいので2ダッシュ前後から。
- グラスの事前チル:透明感と香り立ちが良くなります。
- ガーニッシュ選択:
- チェリー=甘みの余韻がプラス
- オレンジピール=柑橘の香りでキレが出ます
アレンジの方向性(無理なく試せる範囲)
- パーフェクト・マンハッタン:
- スイート・ベルモットとドライ・ベルモットを半々に(合計は25〜30ml目安)。甘さすっきり。
- ドライ・マンハッタン:
- ドライ・ベルモットを使用、レモンピールで香り付け。キリッと辛口に。
- ロブ・ロイ(Rob Roy):
- スコッチを使った兄弟カクテル。スモーキーさや麦芽感が前面に出ます。
- ブラック・マンハッタン:
- スイート・ベルモットの代わりにアマーロ(例:アヴェルナ)を使用。苦味・ハーブ感が強調されます。
- ロング化(ハイボール寄り):
- 風味の方向性を楽しむ応用。タンブラーにウイスキーと少量のベルモット+ビターズを入れ、ソーダでアップ。原型とは別物ですが、香りの骨格は感じられます。
- ノンアル方向:
- ノンアル・ウイスキー+ノンアル・ベルモット(または濃い紅茶ベース+ハーブシロップ少量)で風味の方向性を近づけられます。完全再現ではありません。
よくある質問(FAQ)
Q. ライとバーボン、どちらが正解?
A. どちらでも作られます。ライ=スパイシーでキレ、バーボン=まろやかで甘みの傾向です。お好みでどうぞ。
Q. ビターズはアンゴスチュラ必須ですか?
A. クラシックではアンゴスチュラが広く使われます。オレンジビターズを少量ブレンドすると柑橘のニュアンスが出ます。
Q. “アップ”と“ロック”、どちらで提供しますか?
A. 一般的にはアップ(氷なしのグラス)です。薄まりにくく、香りがはっきりします。好みでロックも可能です。
Q. チェリーとオレンジピール、どちらが合いますか?
A. 甘みの余韻を伸ばすならチェリー、キレを出すならオレンジピール。味の方向性に合わせて選びます。
由来・名前について
- 19世紀後半のニューヨーク発祥とされますが、細部は諸説あります。
- マンハッタン・クラブ起源説などが語られますが、史料の確度に議論があり、断定はできません。
- いずれにせよ、古くからウイスキー+ベルモット+ビターズの黄金比で親しまれてきた古典です。
相性の良いおつまみ・シーン
- 相性:ダークチョコ、ハードチーズ、塩気のあるクラッカー、燻製ナッツ
- シーン:食前・食後の小さな一杯に。静かな夜にじっくり味わうのもおすすめです。
写真・SNSの小ワザ(再現性重視)
- 背景:木目やダークトーンのバックバーで、琥珀色が映えます。
- グラス:カクテルグラスやニック&ノーラでクラシック感を演出。
- チェリーの置き方:底に沈めると色のコントラスト、リムに掛けるとアイキャッチに。
- 撮影:氷はグラスに入れないため、ミキシンググラス側でしっかり急冷して透明感をキープ。
キャプション例
- 「ライ2:ベルモット1で、骨格くっきり。ビターズは2ダッシュから」
- 「バーボンなら口当たりまろやか。チェリー or オレンジピールで表情が変わります」
ハッシュタグ例#Manhattan #マンハッタン #クラシックカクテル #ウイスキー #おうちバー
まとめ
由来は諸説あるため断定しないのが無難ですが、味の完成度は揺るぎない古典です。
マンハッタンはウイスキー+スイート・ベルモット+ビターズのシンプルな構成です。
2:1前後の比率からスタートし、甘さ・キレを微調整すると好みのバランスに近づきます。